【4月20日 AFP】シリア外務省は19日、フランス政府からバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に授与されていたフランスの最高勲章、レジオン・ドヌール(Legion of Honour)を返却したことを明らかにした。米国の「奴隷」からの勲章など受け取らないと強調している。

 フランスは2001年、ジャック・シラク(Jacques Chirac)政権時代に、アサド大統領が父親のハフェズ・アサド(Hafez al-Assad)前大統領の死去に伴い政権を受け継いだ直後、レジオン・ドヌールの中でも最高位のグランクロワ(Great Cross)を授与していた。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は16日夜、アサド大統領に対する「懲戒措置として、レジオン・ドヌールを剥奪する手続きに入っている」と発表していた。

 アサド政権が化学兵器を使用したとされる疑惑をめぐり、フランスが米英と共にシリアに対する空爆を行った後、勲章を返却したという。

 シリア外務省の声明によれば、勲章はダマスカスのルーマニア大使館を通じてフランスに返却された。ルーマニア大使館はシリアでフランスの利益代表を務めている。

 同勲章は毎年、「フランスへの貢献」に加え、人権や報道の自由などの大義のために尽力した功労者およそ3000人に授与され、うち400人が外国人だという。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領もシラク政権時代の2006年にレジオン・ドヌールを授与されている。

 マクロン大統領はこれまでに、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)やレイプの告発を受けた米映画界の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏から勲章を剥奪している。(c)AFP