【4月20日 AFP】ロシアのボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)のプリマバレリーナ、オリガ・スミルノワ(Olga Smirnova)さんが、米国のビザ(査証)発給を拒否されたことが分かった。ロシア通信各社が19日、報じた。米ロ間では外交官追放の応酬により大使館の職員数が減っており、劇場側は「実務上の問題」によりビザ発給が間に合わなかった可能性があると説明している。

 スミルノワさんは23日、ニューヨークのリンカーン・センター(Lincoln Center)で公演する予定だったが、国営ロシア通信(RIA)によると、同じくボリショイ劇場のダンサーであるジャコポ・ティッシ(Jacopo Tissi)さんとともに米入国管理当局から就労ビザの発給を拒否された。

 ロシアと欧米諸国の間では、英国でのロシア人元スパイ毒殺未遂事件を受けて英国がロシア外交官を追放したことを皮切りに、外交官の追放合戦が勃発。在ロシア米大使館では職員が大幅に削減された。

 ローレンス・トビー(Laurence Tobey)駐ロシア米領事は19日、ロシア紙ネザビシマヤ・ガゼータ(Nezavisimaya Gazeta)に対し、職員の不足により、ロシア人のスポーツ選手やパイロットへの臨時ビザ発給を保証できなくなったと述べた。

 これに対しロシア外務省は声明で、領事の発言に「困惑している」と述べ、ロシアに圧力をかけるための「追加手段」としてビザ問題を「意図的にでっちあげた」と米国を非難した。(c)AFP