【4月19日 AFP】オーストリア政府は18日、難民申請者に対し、携帯電話を当局に引き渡すとともに、最高840ユーロ(約11万円)を現金で支払うよう義務付ける法案を閣議決定した。

 現金は難民申請費用に充て、申請者の携帯電話から取得した位置情報データと、到着までの経路についての説明が一致しているかを当局が調べるという。

 難民申請者は「ダブリン(Dublin)規則」を適用する他の欧州諸国へ以前入国したことが発覚すれば、その国へ送還される可能性がある。

 反移民を掲げる極右・自由党(FPOe)所属のヘルベルト・キックル(Herbert Kickl)内相は、難民制度の「悪用」を絶つため、「外国人の権利に対して制約的かつ強制力を持つ法」を制定することが目的としている。

 法案は数週間以内に国会で採決され、可決される見通し。

 2015年の移民危機を受け、同国は人口870万人の約2パーセントに当たる15万人超の難民申請を受理してきた。(c)AFP