【4月19日 AFP】ドイツの裁判所は18日、年金生活者の高齢男性を殺害した上、遺体を切断して冷凍庫に保管し、被害者の年金を10年間にわたり不正受給していたとして起訴された男に対し、終身刑を言い渡した。

 ヨゼフ・シュチュレク(Josef Szczurek)被告(56)は2006年末~07年初めごろ、首都ベルリンのアパートで住民のハインツ・Nさんを射殺したとして有罪判決を受けた。被害者は妻に先立たれ、一人暮らしだった。

 シュチュレク被告は被害者の遺体を解体し、被害者宅の大型冷凍庫に保管。被害男性に支給されていた月額2000ユーロ(約27万円)の年金を10年にわたって不正に受け取っていたとされる。

 近隣住民からハインツさんの行方が分からなくなっているとの通報があり、昨年1月に警察がアパートを捜索したところ遺体が見つかった。

 被告は遺体を切断したことと年金を受け取っていたことは認め、ギャンブル依存で金が必要だったと説明したが、殺人の容疑は否定。被害男性は孤独感から自殺したのだろうと主張していた。

 この事件はドイツ社会に大きなショックを与え、特に大都市で孤立する高齢者の問題をめぐって全国的な議論を巻き起こした。(c)AFP