【4月19日 CNS】中国科学院ソフトウェア研究所研究員で、「ソフトウェア定義」衛星技術連盟の趙軍鎖(Zhao Junsuo)秘書長はこのほど、中国初となるソフトウェア定義衛星「天智1号(Tianzhi 1)」が今年下半期、酒泉衛星発射センター(Jiuquan Satellite Launch Center)から打ち上げられる計画だと発表した。

 宇宙基盤の人工知能(AI)という意味から名付けられた「天智1号」はソフトウェアからなる衛星で、搭載するのは低消費エネルギーで計算能力の高い小型クラウドコンピュータープラットフォームと中国産スマホ4台。一つの任務に向けて開発される従来の衛星とは違い、「天智1号」は共通ソフトウェアを集め、プラットフォーム化されたソリューションの提供に重点を置き、異なる衛星プラットフォームの宇宙ソフトウェアの開発に適している。

「ソフトウェア定義衛星、人工知能が宇宙をけん引」をテーマに、北京市(Beijing)で開かれた「ソフトウェア定義衛星高級サミット」で趙秘書長は、「『天智1号』ソフトウェア定義衛星プロジェクトは2015年8月から研究が始まり、2017年には中国科学院の重大科技任務局により正式にプロジェクトが立ち上がった。中国科学院小型衛星創新研究院によって衛星の研究、開発、テストが行われている。今年下半期には衛星を打ち上げ、軌道上での試験を行う」と話した。

 趙秘書長は、「『天智1号』には大きな三つの強みがある。一つは人工知能の機能の高さ。衛星が取得したほとんどのデータは、軌道上で処理が完了する。二つ目は開放式システムを採用しており、誰でも衛星のソフトウェアを開発でき、軌道上で試験を行うことが可能になる。三つ目は、誰でも衛星の現在の様子をリアルタイムでスマホの専用アプリから確認できる。さらに、衛星に写真を撮るように指令を出すこともできるようになる」と紹介した。

 中国科学院ソフトウェア研究所とソフトウェア定義衛星技術連盟は、「天智2号」「天智3号」の研究と開発にも着手する計画だ。「我々の目標はどれだけ多くの衛星を発射するかではなく、スマホのシステムのようにソフトウェアの定義に基づき、衛星共有ソフトウェアの一体化ソリューションを提供することだ。最終的には広く適用できる宇宙基盤人工知能システムを構築していく」と趙秘書長は話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News