■「夢の仕事」

「家を購入し家族を持ちたいという夢があり、経済的に安定した職を求めていた。ヨガインストラクターとしての収入はこの夢をかなえるのには十分ではなかった」と、ゲインズさんは言う。「需要は常にあると思うので、仕事を見つける自信はある」

 カラチェさんは、従来のプログラミングの学習方法には2種類あると説明した。大学と、「ブートキャンプ(bootcamp、新兵の訓練プログラム)」と呼ばれる数週間の集中コースだ。

 大学は数万ドル(数百万円)、ブートキャンプは平均で数千ドル(数十万円)の授業料がかかる。ジェシー・ヘデン(Jesse Hedden)さん(32)にとってはどちらも問題外だった。

 本業は教師のヘデンさんは学校の隅で、ゲインズさんと2人でノートパソコンを膝に乗せ、サーバーをデバッグ(コンピュータープログラムの欠陥を除去すること)している。

 ここでは自助努力で問題解決する技術が重要になる。ホルバートンは、教師を雇わず授業も行わないことで、コストを削減している。

 代わりにフェイスブック(Facebook)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)から約150人のメンターが定期的に訪れ、学生の手助けをし、カリキュラムのアップデートを行う。ホルバートンは複数の投資家から1300万ドル(約14億円)の出資を受けている。

 ヘデンさんは「転職したい」と言う。教師の収入2万2000ドル(約240万円)ではこのサンフランシスコエリアで暮らしていくのは難しい。ソフトウエアエンジニアの収入はその何倍にもなる。

 エイミー・ガル(Amy Galles)さんは、もはや学位は必ずしも仕事に結びつかず、大学は「死にゆくモデル」だと語った。ガルさんは数年前、4万ドル(約430万円)の学費を払いアートの学位を取得した。だが、自分を「夢の仕事」に導くのはホルバートンだと望みを抱いている。(c)AFP/Julie CHARPENTRAT