【4月19日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は18日、大統領選挙と議会選挙を約1年半前倒しし、今年6月24日に実施すると発表した。大統領の権限を強めた新制度への移行を早める狙い。

 大統領・議会選は来年11月3日に実施される予定だったが、この発表によりトルコの政治日程は一変する。

 トルコでは昨年、首相職を廃止し、大統領の権限を強める憲法改正が承認されており、次回選挙は新制度施行の節目として特に重要な意味を持つ。

 新制度は国民投票で支持されたが、反対派からは大統領に独裁的な権力を与えるものと非難されている。

 専門家らは、今後の経済状況の悪化が懸念されるなか、シリアでの軍事作戦強行に伴う民族主義の高まりを利用し、難局を迎える前に選挙に勝利することが大統領の狙いだと指摘している。

 エルドアン大統領は、当局にとっては「歯を食い縛って」来年11月まで待つ方が好ましかったとする一方、隣国イラクやシリアの情勢により「なるべく早くに不確実性を克服することがトルコにとって不可欠となった」と述べた。

 選挙の前倒し法案はすでに議会に提出されており、来週には承認される見通し。 (c)AFP/Raziye Akkoc with Fulya Ozerkan and Stuart Williams in Istanbul