【4月17日 AFP】16日に行われた第122回ボストン・マラソン(2018 Boston Marathon)で、女子の部に出場した無名のランナーであるサラ・セラーズ(Sarah Sellers、米国)さんが強豪選手らを抑えてまさかの2位に入り、参加費180ドル(約1万9000円)を支払ってエントリーした大会で賞金7万5000ドル(約800万円)を手にした。

 マラソン界でも最高峰のレースに位置づけられる同大会では、デシリー・リンデン(Desiree Linden)が米国の女子選手として1985年以来の優勝を果たしたものの、同じくスポットライトを浴びたのは、走ることが本職ではないにもかかわらず、トップから4分差でフィニッシュラインを通過したセラーズさんだった。

 2015年に大学を卒業して現在はアリゾナ(Arizona)州で看護師として働いているセラーズさんは、7か月前に大まかなトレーニングを始めたばかりで、ユタ(Uta)州の予選大会に出場して優勝しているものの、フルマラソン大会で走るのは今回が2回目だった。

 30年ぶりの寒さと強風に見舞われた米ボストン(Boston)で圧巻の走りを披露したセラーズさんは、2時間44分4秒のタイムで2位に入ったことに驚きを隠せず、陸上中長距離の情報サイトletsrun.comで「まだ目覚めたら夢じゃないかと考えています。調子よく走れました。コンディションは本当に厳しかったのですが、この順位には自分でもびっくりです。さっぱり訳が分かりません」とコメントした。

 疲労骨折して2年近くも走ることから遠ざかっていたというセラーズさんはレース後、フィニッシュラインで2位に入ったことを知らされるまで順位は全く把握していなかったと明かし、「まさかという感じでした。トップ10に入ったくらいだと思っていました」と話した。(c)AFP