【4月16日 AFP】(更新)昨年5月にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に解任された米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)前長官は、15日放映の米ABCのインタビューで、トランプ氏について大統領として「道徳的に不適格」だと述べ、虚言癖があり「周囲の人々をおとしめる」人物だと評した。

 ABCから入手した発言記録によると、コミー氏は解任後初のテレビインタビューでトランプ氏について、「心神喪失状態にあるとか認知症の初期段階だとかいう説には賛同しない」とした上で、「彼(トランプ氏)は、医学的見地から大統領にふさわしくないわけではないだろう。大統領としては道徳的に不適格なのだと思う」と語った。

 さらにコミー氏は、「わが国の大統領は尊敬を体現し、米国の中核たる価値観を忠実に守らなければならない。何より大切なのは正直であること。この大統領(トランプ氏)にはできないことだ」と続けた。

 元連邦検事のコミー氏は、女性に対するトランプ氏の発言や振る舞いを「まるで肉の塊でも扱うかのよう」だと指摘。「大小問わずうそをついてばかりで、それを信じるよう米国民に強要する」と批判した。

 また、トランプ政権で役職に就くと深刻な倫理的ジレンマにさらされると述べ、「この大統領(トランプ氏)の問題は、彼が周囲の人々をおとしめることだ」と主張。「どれだけおとしめられたら許容範囲を超えたことになるのか、国家を守り国家に奉仕しようとする人の目標達成を阻む結果になるのか、それが問題だ」と語った。(c)AFP/ W.G. Dunlop