■「メッセージを受信したが、削除した」

 ただ、米国ブランドは広大な中国各地の街中や商業施設の至るところで目にするため、中国国民にその不買を説得するのは厳しそうだ。

 北京中心部の外務省から目と鼻の先にあるマクドナルドの店舗では、ランチタイムで来店した客の食欲が不買の呼び掛けで損なわれることがないのは明らかだった。フライドポテトやコーラと一緒にダブルチーズバーガーをむさぼっていた客は、「わたしもメッセージを受信したが、削除した」、「(メッセージを共有している)そうした人たちは、騒ぎを起こしたいだけです」と語った。

 米国製品を標的にした不買の呼び掛けは、今回が初めてではない。2016年にはソーシャルメディアに、iPhoneをたたき壊している人の写真が投稿された。中国とフィリピンが南シナ海(South China Sea)の海域の領有権を争っている問題で、米国がフィリピンを支持したことを非難する意図があったとみられる。また、KFCの店舗十数か所の前では抗議行動があり、参加者らがシュプレヒコールを上げた。

 ただ、上海に拠点を置く市場調査会社チャイナ・マーケット・リサーチ・グループ(China Market Research Group)のアナリスト、ベン・キャベンダー(Ben Cavender)氏は、「ネットには(不買を呼び掛ける)スローガンが現れているものの、中国国民を中心に雇用しているサービス業のブランドの見通しは明るい」と述べ、今回の不買の呼び掛けはあまり拡大しないと分析した。(c)AFP/Poornima WEERASEKARA