【4月14日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)は13日、レースの重点に置くべきは「見せ物」ではなく競技であると主張し、選手権が米国のNASCARシリーズのようになっていくならば、チームはF1から迷わずに撤退すると警告した。

 イタリアメディアによると、フェラーリのセルジオ・マルキオーネ(Sergio Marchionne)最高経営責任者(CEO)は、オランダ・アムステルダムで行われた株主総会で、「F1がスポーツではなく見せ物となり、レースがNASCARのような方向に進むならば、フェラーリは去ることになる」と述べた。

「F1をねじ曲げるような提案がなされるのであれば、フェラーリは撤退する。われわれは興行主である米リバティメディア(Liberty Media)と可能な解決策を模索していく」

 前週行われた今季第2戦のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2018)で、リバティメディアはF1に関する将来の青写真を発表。その5つの主要ポイントは、コスト、収益、新構造のガバナンス、競技・技術規約、パワーユニットに関するものとなっている。

 2021年からの導入が提案されたコストキャップ制では、予算に1億5000万ドル(約160億円)の上限が設けられており、フェラーリがF1撤退を示唆する原因になったのはこの点だとみられている。

 マルキオーネ氏はまた、「10日前にリバティメディアから改革案が出された。もっと詳細を把握してから、フェラーリの利益に沿って選択していく」とすると、フォーミュラE(Formula E)シリーズに「とりわけ関心」があるとして、「代替案を探っていくことになるかもしれない。脅すつもりはないが、われわれは買い物をやめる気はない」と強調した。

「技術的アプローチをあまり求めていない人間もいるようだが、われわれやメルセデスAMG(Mercedes AMG)はハイレベルの維持を追求している」

 バーレーンGPでリバティメディアの計画が発表された際、昨季王者のメルセデスは「良い出発点だが、詳細を詰める必要がある」という見解を示しており、トト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表は、同チームの予算が「2億5000万ドル(約267億円)以上」であることから、妥協点を見いだす必要があると述べた。

 一方、ウィリアムズ(Williams)のクレア・ウィリアムズ(Claire Williams)副代表は、この計画が収入面においてトップチームから下位チームに至るまで公平性を保つものになるとして、「シャンパンの栓を抜く時がきた」と歓迎した。

 レッドブル(Red Bull)のクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、計画が「数か月」以内にまとまることを期待していると話し、「結論としては、この計画はトップを走る3、4チームにとって、より一層大きな影響があるということだ」と述べた。(c)AFP