【4月14日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊にある東グータ(Eastern Ghouta)地区で化学兵器が使われたとされる問題で、ロシア国防省は13日、この攻撃が英政府の指示により捏造(ねつぞう)されたことを示す証拠があると主張した。英国はこの主張を「見えすいたうそ」だと否定している。

 ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官は、反体制派地域で救急活動を行う団体「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」に対し、毒ガス攻撃をでっち上げるよう英国が圧力をかけたと主張。「東グータにおけるこの扇動行為の計画に英国が直接関与したことを示す証拠」をロシア軍が入手したと述べた。

 同報道官はまた、3日から6日にかけてダマスカスを砲撃した反体制派武装勢力「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」に対するシリア政権軍の軍事作戦に合わせ、今月7日に攻撃がでっち上げられたと説明した。

 英国のカレン・ピアース(Karen Pierce)国連大使は、コナシェンコフ報道官の主張を「醜悪」で「見えすいたうそ」だと反論した。

 ロシアはこれまで、反体制派側が化学兵器攻撃を捏造したり、そのうわさを広めたりしているとの見解を繰り返してきたが、英国が攻撃に関与したという主張は初めて。

 今回のロシアの発表は、英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で元二重スパイのロシア人男性とその娘が神経剤で襲撃された先月の事件をめぐり、英国がロシア政府の関与を主張するなかで行われた。(c)AFP