【4月15日 CNS】中国・福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)倉山区(Changshan)の街中で、王勝利さんは自分の体に黄色いひもを結びつけて台車を引っ張る。台車に積まれた露店道具は、王さんが一歩一歩前へ進むたびに、飛び跳ねながら動く。

 4年前、河南省(Henang)からこの地にやって来た王さんは交通事故に遭い、左足の半分以上を切断した。その後、王さんは自作の手工芸品を街中の露店で販売し、生計を立てることを考えた。

 王さんの露店は、交差点沿いにある。「手工芸は、各地を巡っていた時に学んだ。手工芸を教えてほしいと頼まれたたこともある。自分がかつて先生に教わったように、私も喜んで無償で教えたよ。たくさんの障害者が私と同じように、自分で働いて生活を作り出してほしい」と、王さんは語る。

 アリ、バッタ、クモ、蛇、馬・・・王さんの露店はまるで動物園さながらで、道を行き交う人たちが足を止める。王さんは、自宅で手工芸を独学で始めた頃は簡単な物しか作れなかったが、今年の初めごろ手工芸の先生と知り合ったことがきっかけで、本格的に勉強を始めたという。

「私はこれからも福州にいるよ。福州の人は良い人たちで親切だ。時々、手を貸してくれて台車を引いてくれたりするんだ」

「福州は『福の有る州』。この福の気で、私の生活がどんどん良くなるといいね」

 王さんは、自分自身が障害者だと全く思っていない。自分の生活に対して諦めた人こそが障害者なのだと言う。(c)CNS/JCM/AFPBB News