【4月13日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、グリーンベイ・パッカーズ(Green Bay Packers)の元名QBとして知られるブレット・ファーヴ(Brett Favre)氏が12日、20年間にわたる現役時代に「数え切れない回数」の脳振とうに襲われたことで、これから先もずっとその影響を受けるかもしれないという不安にさいなまれていることを告白した。

 現在48歳のファーヴ氏は、メーギン・ケリー(Megyn Kelly)が司会を務める米テレビ局NBCのトーク番組で、現役時代に脳震とうであると正式に診断されたのはほんの数回であるものの、実際の数字ははるかに多いはずだと主張した。

 ファーヴ氏は脳震とうに襲われた回数を問われると、「私の知るかぎり3、4回だと思う。アメフトや他のスポーツでも使われている言い回しで、『ガツン』とやられた、というのがある。耳鳴りがして、星がちかちかするのが脳震とうだというならば、私はキャリアを通じて数百回とか数千回も経験している。それは恐ろしいことだ」と答えた。

 QBとして歴代1位の連続321試合に先発出場し、2010年に現役を引退したファーヴ氏は、キャリア晩年までNFLで受けた頭部へのけがが将来の健康にリスクがある可能性があることについては、最近になって気づいたばかりだと説した。

 生存者では診断が不可能な慢性外傷性脳症(CTE)を患っているかは定かでないとしながらも、その兆候を示す短期間の記憶障害や偶発的な言語障害に襲われることがあると明かした。

「会話の中で普段なら簡単に出てくる言葉につっかえてしまうことがある。私は現在48歳で、20年間プレーした。よく言われるように、これは年を取ったせいなのだろうか? そう、鍵を忘れたと思ってたら手に握っていたり、眼鏡を探していたら手に持っていたりすることはある。それは、そういうものなのかもしれない。それとも、CTEの初期症状なのだろうか? 私には分からない」

 ファーヴ氏はまた、自分に息子がいたらタックルありのフットボールをすることはやめるように忠告すると話しながらも、NFLでのキャリアに後悔はなかったとして、「アメフトでのキャリアは、私にたくさんのことを与えてくれた。幸運も災いもね」とコメント。

 その一方で、今の健康状態は良好でも、ある日突然に体調が悪化する不安を抱えていることを認めており、「CTEや頭部のけがに関して、いつか誰かに『すごく元気そうだね、体を大切にしてくれ』と言われたら、『ありがとう、全力を尽くすつもりだ』と答えるよ」と語った。(c)AFP