【4月13日 AFP】ボクシング元ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が、英マンチェスター(Manchester)で行われる6月9日の試合で約2年半ぶりに復帰することになった。同選手のプロモーターを務めるフランク・ウォーレン(Frank Warren)氏が12日に明らかにしたが、対戦相手は未定となっている。

 2015年11月にウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)から衝撃的な勝利を収め、誰もが認めるヘビー級の世界王者に君臨して以来リングから遠ざかっているフューリーは、薬物検査で禁止薬物のナンドロロン(nandrolone)に陽性反応を示して英国反ドーピング機関(UKAD)から2年間の出場停止処分を受けていたが、昨年12月にその処分が明けていた。

「いろいろなことがあったけれど、リングに立って自分が最強であると証明することが待ちきれない」と話したフューリーは、いとこのヒューイ・フューリー(Hughie Fury、英国)とともに、2015年2月に薬物検査で失格となっていた。しかしながら、UKADは2016年6月まで処分を下さず、その間にフューリーはクリチコ戦で勝利。2016年7月にはクリチコとの再戦が組まれていたが、UKADの処分が発表された同日に足首を痛めたことを理由に試合を延期した。

 23歳のヒューイとともに、薬物違反の理由はイノシシを食べたためと説明していたフューリーは、2016年9月にコカインにも陽性反応を示した。その際にはけがやUKADとの問題に悩まされてそううつ状態となり、その気晴らしのためにコカインを使用したことを認めていた。

 これまでフューリーは次戦の相手として、英カーディフ(Cardiff)で行われた先月の試合でジョセフ・パーカー(Joseph Parker、ニュージーランド)を倒し、WBO・IBF・WBAの統一タイトルを獲得したアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)に挑戦することを望んでいたものの、当分の間は待つ必要がある。ジョシュアは現在、WBC王者であるデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)との統一戦に向けて照準を合わせている。

 現ヘビー級王者の中で「トップに君臨」しているのはワイルダーだと強調しているフューリーだが、「やつらは全員かなり不安定で、簡単に倒せる」と豪語。一方、ウォーレン氏は、ジョシュアを迎え撃つ用意が整うまで、フューリーは「3、4試合」をこなす必要があると確信している。(c)AFP