【4月13日 AFP】ロンドン動物学会(Zoological Society of LondonZSL)による最新の絶滅危惧種リスト「EDGE of Existence」に、緑のモヒカンで有名な「メリーリバー・タートル(Mary River Turtle、カクレガメ)」がリストアップされた。

 カクレガメは、豪クイーンズランド(Queensland)メリー川にのみ生息するカメで、頭の緑のモヒカンとでん部にある器官で呼吸する珍しい生態が、これまで人々の興味を惹きつけてきた。ロンドン動物学会は今回、絶滅危惧(きぐ)種や進化的に独特な種を集めたEDGE of Existenceリストに爬虫類100種を追加したが、カクレガメもそのうちの1種に含まれた。

 カクレガメには尿や老廃物を排出し、卵を産むための総排せつ腔と呼ばれる器官があり、この排せつ腔にある特殊な腺を使い水中で呼吸をする。

 EDGE of Existenceの編さんに関わったインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のリッキ・ガムス(Rikki Gumbs)氏はAFPに対し、「カクレガメは、水中に潜ったまま最長3日間は過ごすことができる。お尻で呼吸をする変わった能力が備わっているからだ」と述べ、「排せつ腔に特殊な器官があり、周辺の水から酸素を取り入れることができる」と説明した。

 カクレガメの最も際立った特徴は、なんといってもその鮮やかな緑色の尖ったモヒカンだろう。だが、髪の毛にみえるものは実は藻だ。

「カクレガメは長い時間を水中で過ごしているため、体が藻で覆われるものもいる。時にはキュートで印象的な鮮やかな緑のヘアスタイルが出来上がる」と、ガムス氏は語る。

 豪の環境・エネルギー省によると、カクレガメは、70年代から80年代にかけてペットとしての人気が高まり、急速にその数を減らしたという。

 ダム建設により生息地の自然破壊が進んだことと、ペット取引のため卵が採取されたことも、個体数の減少に拍車をかけた。(c)AFP