【4月13日 AFP】ノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)を選考するスウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)のサラ・ダニウス(Sara Danius)事務局長とアカデミー会員の計2人が12日、辞任した。アカデミーの資金提供を受けて活動し、芸術界で影響力を持つ著名な男性が複数の女性に性的暴行を加えていたとされる問題をめぐり、アカデミーは危機的状況が続いている。

 ダニウス氏はスウェーデンの首都ストックホルムで開かれたアカデミー会員の緊急会議に出席した後、「アカデミーは私が事務局長の職から去ることを望んでいる」と報道陣に述べた。「私としては続けさせてほしかったが、人生でなすべき他のことがある」

 辞任したもう一人のアカデミー会員はスウェーデン人作家のカタリーナ・フロステンソン(Katarina Frostenson)氏。

 スウェーデンの日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)は昨年11月、渦中の男性から嫌がらせや身体的虐待を受けたと主張する18人の女性の証言を報じた。これを受けアカデミーはこの男性とのつながりをすべて断ち、資金の提供も打ち切った。また法律事務所の協力も得て内部調査を始めていた。

 その後アカデミーはフロステンソン氏を信頼すると改めて表明したが今月6日、会員3人がこれに抗議して辞任していた。

 アカデミー会員は終身なので制度上辞任することはできないが、会議への出席を強制することはできない。アカデミーの定員18人のうち活動停止状態になった会員は7人となった。そのうち女性会員2人は既に何年も会員活動を休止している。 (c)AFP/Camille BAS-WOHLERT