【4月12日 CNS】中国の清明節のころに、名門・北京大学(Peking University)の卒業生がインターネット上で、女子学生が教員からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けた結果、自殺にまで至ったという20年前の事件を実名で暴露したことが、社会的に大きな注目を集めていた。この問題を受け、北京大学は8日、20年前の調査報告書を公開した。

 同大学で当時中国文学科の教員だった瀋陽(Shen Yang)氏の女子学生への行為が原因だった。女子学生の死亡を受け、大学側は当時、「行政警告処分の決定」とする調査報告書をまとめていた。

 当時の調査書によると、1998年、女子学生が死亡したことを受け、北京公安局の調査班が捜査していた。その結果、瀋陽氏の行為が不当であり、教師としての道徳に違反したと結論を出した。同大学は、公安機関から提供された調査報告書をもとに、警告処分を行ったとされる。

 この件を受けて瀋陽氏は、当時勤務していた南京大学文学院でも自主退職し、上海師範大学との外部講師契約も解除されたという。

 最近になってネット上でセクハラ事件が広まった後、事態を重く見た北京大学側は、大学の紀律委員会などに再審査を依頼。当時の関連資料を取り寄せ、当事者や関係者に事情聴取を行ったほか、8日には林建華(Lin Jianhua)学長主催でこの問題に関する会議を開いた。

 会議では、大学の歴史上に起きた経験と教訓を真摯に総括し、管理上のさまざまな問題や制度上の不完全さの問題に対し深い反省と戒めとするとし、確固たる制度と措置をもって教師と学生の正当な利益を保障することなどを提案した。(c)CNS/JCM/AFPBB News