【4月12日 AFP】動画配信大手の米ネットフリックス(Netflix)が今年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)に参加しない方針を示していることが11日、同社幹部のインタビューから明らかになった。出品作をフランスでの劇場公開作品に限定する新ルールが理由だという。

 ネットフリックスのテッド・サランドス(Ted Sarandos)最高コンテンツ責任者(CCO)は、11日発売の米娯楽誌バラエティ(Variety)のインタビューで、カンヌ国際映画祭がフランスで劇場公開しない映画のコンペティション部門出品を禁止する新ルールを導入したと説明。

「わが社の映画が、あらゆる他の映画制作会社の作品と共に公正に扱われることを希望する」「このような方法では、われわれの映画と映画制作会社が映画祭で不当な扱いを受ける恐れがある」などと語った。

「彼ら(カンヌ映画祭)は基調を打ち出した。そこへ行くのがわれわれにとって良いことだとは思わない」(サランドス氏)

 ネットフリックスは昨年のカンヌ国際映画祭に『オクジャ(Okja)』と『マイヤーウィッツ・ストーリーズ(The Meyerowitz Stories)』の2作品を出品したが、『オクジャ』のフランス国内での映画館上映を拒否し自社ウェブサイトでのストリーミング配信を優先したことで物議を醸した。

 フランスの法律は、劇場公開後3年間にわたり映画のストリーミング配信を禁じている。この規制については、海賊版の横行や、ネットフリックスをはじめとするストリーミング配信サービスの人気が米国で急上昇している中で、時代遅れだとの見方が強い。

 ネットフリックスは自社作品のフランスでの劇場公開に前向きな姿勢を示す一方、ストリーミング配信まで3年も待ってはいられないと主張している。

 今年のカンヌ映画祭のラインナップは12日に発表される。(c)AFP