【4月11日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で昨年9月にイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)10人が法的手続きを経ずに殺害された事件に関与したとして、同国軍の兵士7人が、重労働を伴う懲役10年の刑を言い渡された。軍司令官が10日夜、フェイスブック(Facebook)への投稿で明らかにした。

 ラカイン州北部では昨年8月以降、暴力的な取り締まりを逃れるために隣国のバングラデシュに避難を強いられたロヒンギャが約70万人に上っている。同州で行われたとされる残虐行為のうち、ミャンマー軍は9月2日にインディン(Inn Din)村で発生した同事件についてのみ事実と認めている。

 昨年12月には、事件を取材していたロイター通信(Reuters)のミャンマー人記者、ワ・ロン(Wa Lone)氏(31)とチョー・ソウ・ウー(Kyaw Soe Oo)氏(27)の2人が、ヤンゴン郊外で機密文書所持の容疑で逮捕された。裁判で有罪となれば最高で禁錮14年を言い渡される可能性がある。

 記者2人の逮捕から1か月後、ミャンマー軍は、兵士の一部がロヒンギャ男性10人の殺害に関与していたことを認める異例の声明を出し、関与した人物に対する措置をとると表明。同軍はこれら10人が「テロリスト」だったと繰り返し主張しているが、その主張の裏付けとなる証拠は示していない。

 国軍司令官ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)将軍はフェイスブックへの投稿で、事件をめぐり将校4人と兵士3人が除隊処分と重労働を伴う懲役10年の刑を受けたと発表。事件をめぐっては、独立調査を求める声が国際社会から上がっていたが、裁判はそれを無視する形で非公開で行われた。(c)AFP