【4月10日 AFP】フィリピンの警察当局は10日、仕事仲間が仕組んだ計画によって、マニラにおびき出されて誘拐された日本人男性(32)が無事解放されていたことを明らかにした。

 ロナルド・デラロサ(Ronald Dela Rosa)比国家警察長官によると、当局は今月5日に男性を保護し、男性をマニラ郊外の住宅に監禁していた日本人1人とフィリピン人2人を逮捕した。

 警察幹部のグレン・ドゥムラオ(Glenn Dumlao)氏は報道陣に対し、被害者の男性は東京在住で、先月日本人の仕事仲間と一緒にフィリピンに入国したと明かし、「捜査の過程で、男性が友人にだまされていたとわかった。2人は仕事仲間で、ビジネスにおいて亀裂があったようだ」と述べたものの、2人の関係については詳細を語らなかった。

 仕事仲間とされる男は、事件前にマニラを訪れ、すぐに日本へと戻った。その一方で被害者の男性は、日本のホテルでフィリピン人2人と面会し、一緒に同国へ向かうよう求められた。男性は当初気乗りしなかったものの、仕事仲間の指示で同行することに同意したという。

 フィリピン人2人はこの仕事仲間とともに男性を住宅へ連れて行き監禁。日本にいる被害者家族と接触していた。

 デラロサ国家警察長官によると、首都マニラにある日本大使館は被害者家族の要請に基づき、地元警察に支援を求めたところ、警察が被害者を救出し容疑者を逮捕した。

 またドゥムラオ氏は、被害者家族と話し合い、日本政府も詳細を発表しない方針であることから、身代金の要求などがあったのかなどについての詳細は明かせないと説明。ただ日本の警察当局は現在、男性の仕事仲間の行方を追っているとしている。(c)AFP