【4月11日 AFPBB News】美術館の天井を泳ぐ、色とりどりのコイの群れ。色や織りの手法など、ひとつとして同じ模様のない布でできたこいのぼりを展示した「こいのぼりなう!(Koinobori Now!)」展が11日、東京・港区の国立新美術館(The National Art Center, Tokyo)で始まる。開催に先立って10日、報道関係者に向けた内覧会が行われた。

 日本を代表するテキスタイルデザイナーの須藤玲子(Reiko Sudo)さんと、フランスの展示デザイナー、アドリアン・ガルデール(Adrien Gardere)さんらがプロデュースした。

 日本の伝統行事に着想を得たこいのぼりのインスタレーション展示は、これまでに米・ワシントンやパリなどで開催されている。今回は大幅に展示数を増やし、広さ2000平方メートル、高さ8メートルの展示室に、体長約2.4メートルのこいのぼり319点が、宙を自在に泳いでいる。

 インスタレーションは、布の産地を含め、日本全国の80か所の職人が関わっている。伝統工芸を支える職人から、メディアアート集団「ライゾマティクス」の齋藤精一(Seiichi Saito)氏まで、さまざまな技やアイデアが詰まった「現代版こいのぼり」。来場者は飽くことなく、頭上のコイに見入っていた。5月28日まで。(c)AFPBB News