【4月15日 CNS】3Dプリント技術を遺体修復に導入する試みが、中国・山東省(Shandong)済南市(Jinan)にある蓮花山(Lianhuashan)斎場で始まった。事故などで傷ついた遺体を修復し、亡くなった人をなるべく元の姿に近い状態で見送る。

 火災や交通事故などで損傷した遺体に対し、3Dプリント技術を活用して顔の変形部分や、傷ついた器官のすべてまたは一部を修復する。

 蓮花山斎場の遺体手入れを担当する責任者の畢愛勝(Bi Aisheng)氏は、「遺体修復はこれまで、すべて手作業でゴム粘土や石膏を使って行っておりとても時間がかかっていたが、3Dプリント技術を導入することで時間が短縮した上、精度も上がった。コストも抑えることができる」と話した。

 遺族から提供された生前の写真や身長、体重などの基本情報を基に、人体の3D模型を作成。感光性樹脂やポリ乳酸などの材料を使ってプリントアウトする。修復のすべての段階で、遺族の意見を参考にする。

 同斎場総合科の田路(Tian Lu)副科長は、「亡くなった方の尊厳を守り、『自然な状態』で家族とお別れできるようにすると同時に、遺族がその死を受け入れられるように手助けしたい」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News