【4月10日 AFP】北朝鮮の首都・平壌各所で9日、故・金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の国防委員会(National Defence CommissionNDC)委員長就任25年周年を祝い、集団ダンスが行われた。

 韓国では「韓服(ハンボク、Hanbok)」、北朝鮮では「朝鮮服(チョソノッ、Joseon-ot)」と呼ばれるウエスト位置の高い伝統衣装を着た女性らとスーツを着た男性らは規則正しく並び、パーティー開始の合図を気長に待つ。

 なめらかに移動して三つの円を作り、2011年に死去した金正日氏を称賛する旋律に合わせて手をたたきつつ、回転したり足を振り上げたりする。

 公式行事に合わせて行われる祝福の儀式は当局への忠誠心を教え込み、体現するもので、国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、集団ダンスの参加者らは金氏への支持を示し「名誉と誇りを胸に踊った」と報じた。

 この日は国民の休日でこそないが、年に少なくとも8回開催されるダンスパーティーを行う機会とされる。

 ダンスの相手は恋人より、クラスメートや同僚のことが多い。観光客が誘われ、少し踊ることもある。

 AFPの取材に応じる参加者はいなかったが、ルーマニアのトランシルバニア(Transylvania)から来たブラド・クリサン(Vlad Crisan)さんは目にした光景が「ユニークなもの」で「とても、とても興味深かった」と話した一方で、楽しそうに踊る人もいたが「皆がそうではなかった」と加えた。

 映像は、平壌体育館(Pyongyang Indoor Stadium)前で踊る学生ら。(c)AFP