【4月10日 AFP】北朝鮮・平壌に数十年にわたり立ち続ける未完成の巨大ピラミッド型ホテル「柳京ホテル(Ryugyong Hotel)」が9日夜、ライトアップされた。

 105階建てホテルの頂上付近にライトが設置され、赤、白、青からなる北朝鮮の国旗が映し出された。建物の輪郭は黄色の光で彩られ、玄関からは多色の光が放たれた。

 ライトアップは1時間足らずで終了したが、この不運な建物に関する臆測が飛び交うことになりそうだ。建設開始は1987年、北朝鮮の「建国の父」である故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席が同国を統治していた時代にさかのぼる。

 1990年代、ソビエト連邦の崩壊でモスクワからの資金が枯渇し、建設は中断された。数十年もの間、躯体は完成したものの仕上げが終わらず、部屋の中はがらんとしたままだ。

 不気味に街にそびえ立ち、「滅びのホテル(Hotel of Doom)」との呼び名をつけられた。使用されていない建物としては、世界最大ともいわれている。

 だが、昨年周りの塀が撤去され、玄関へ続く道があらわになり、時折夜間のライトアップが目撃されることなどから、ようやく建物の一部が利用されるのではないかと臆測を呼んでいる。

 建国の父の孫息子に当たる金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の都市開発プロジェクトへの取り組みにより、平壌の街並みには変化が起きている。

 柳京ホテルに関する計画について公式な発表はないが、金日成国家主席の生誕106年を迎える今週末、何らかの発表がある可能性もある。(c)AFP