【4月10日 AFP】メキシコのルイス・ビデガライ(Luis Videgaray)外相は9日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の怒りに満ちた発言などで両国間の緊張が高まる中、エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領がメキシコ政府の全部局に対米関係の見直しの検討を命じたと明らかにした。

 今回の両国関係の悪化は、米入国を目指す中米出身の1000人以上が「キャラバン」を組んでメキシコ国内を移動しているとのニュースに怒ったトランプ大統領が、メキシコ政府を攻撃する内容を連日ツイッター(Twitter)に投稿したことで始まった。

 トランプ氏はメキシコ政府に移民らを止めなければ北米自由貿易協定(NAFTA)の破棄も辞さない構えを示すとともに、5日にはメキシコとの国境に2000~4000人の州兵を展開させると表明した。これらを受けメキシコではトランプ氏に対する怒りが巻き起こっていた。

 ビデガライ外相は、ペニャニエト大統領はまだ米国との協力関係の縮小や停止を決断してはいないが、国際的な麻薬取引に対する共同取り締まりを含む両国間の広範な安全保障や貿易という重要案件も含む各分野について米国との関係を見直すよう、政府の全部局に指示したと説明した。(c)AFP