【4月9日 AFP】「旗を燃やせ!」──英南東部ホイットスタブル(Whitstable)の漁港で8日、欧州連合(EU)の旗が掲げられた船に火がつけられると、群衆は繰り返し叫んだ。英国の漁師らはこの日、ブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)をめぐる交渉で英政府がEUに屈したとして、全国の漁港で抗議を行った。

 ホイットスタブルの抗議集会にはEU離脱派の急先鋒(せんぽう)であるナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)氏も姿を見せ、参加者たちは火を放って警笛を鳴らすなどした。

 主催側の発表によると、抗議には船舶最大200隻が参加。船団が旗を掲げて汽笛を鳴らす中、船着き場では参加者らによるデモも行われた。

 ブレグジット支持団体「フィッシング・フォー・リーブ(Fishing for Leave)」は声明で、「英政府が屈服し、ブレグジット後に英国がEUの全ての法に従わなければならないことに漁業関係者たちは激怒している」と表明。さらに、「EUが英国の船舶を排除するために正当な理由のない法律を施行できたり、権益を主張して英国がこれ以上漁をできなくなるよう国際法を利用できたりするのではと、漁業関係者たちは懸念している」と主張した。

 英政府とEUは先月、英国が2019年3月に正式にEUを離脱した後の移行期間を2020年末までとすることで合意し、期間中はこれまでの関係の大半が維持されることとなった。多くの権利がEU離脱後に与えられると約束されていたと主張する英国の多くの漁師は、この合意によって英政府に裏切られたと感じているという。(c)AFP