【4月7日 AFP】1998年に自分の家族3人を殺害したとして死刑判決を受けたパキスタン人女性が、拘置されてから20年ぶりに釈放された。弁護士が6日、明らかにした。

 アスマ・ナワブ(Asma Nawab)さんは、両親ときょうだい1人が殺害されたとみられている、パキスタン南部の港湾都市カラチ(Karachi)での強盗未遂事件が起きた当時、わずか16歳だった。

 事件後、ナワブさんと当時の婚約者ファルハン・アーメド(Nazir Ahmed)さんは他2人とともに、二人の結婚を認めないことを理由に家族を殺害したとして逮捕され、死刑を宣告された。

 旧態依然としたパキスタンの司法制度では上訴手続きも遅々として進まず、ナワブさんの弁護士が最高裁に上告したのは2015年になってから。最高裁はそれから3年間の審理を経て、ナワブさんら4人の釈放命令を下した。

 1998年当時からナワブさんの担当弁護士を務めてきたジャベド・チャタリ(Javed Chatari)氏はAFPの取材に対して、「最高裁は私の依頼人について、証拠不十分とし、釈放の判断を下した」と述べた。ナワブさんは今月5日に釈放されている。

 残された家族はいないナワブさんにこの20年の試練が終わったことを実感してもらうため、チャタリ氏は、そよ風を感じ砂浜に波を打ち寄せるアラビア海を望む、カラチの有名な臨海地域にナワブさんを連れて行ったという。(c)AFP