【4月6日 AFP】給与明細や特許出願書類まで、約15億件の機密情報ファイルがインターネット上で閲覧可能になっていることが分かった。英米に拠点を置くインターネットセキュリティー会社のデジタル・シャドーズ(Digital Shadows)が5日、明らかにした。

 2018年1~3月に検査ツールを使って調査したところ、インターネット上で世界中の個人・企業のデータを発見できたという。保護されていなかったデータ量は約12ペタバイトと、タックスヘイブン(租税回避地)を利用した節税実態を暴いた通称「パナマ文書(Panama Papers)」の4000倍以上に相当する。

 デジタル・シャドーズのリック・ホランド(Rick Holland)副社長によると、こうしたファイルは最低限の専門知識があれば誰でも自由に取得できる。このような状況では、ハッカーや国家、ライバル企業は機密情報を容易に盗めると警告している。

「攻撃者の仕事はずっと楽になる。調査の時間も短縮される」

 同社によると、ハッカーによる機密情報への攻撃について懸念は高まっているにもかかわらず、「外部に残したデジタルフットプリント、適切に設定されていないクラウドストレージやファイル転送プロトコル、ファイル共有サービスなどを介して既に公開されてしまっているデータに注意が払われていない」と指摘している。

 こうしたデータの約7%はインターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の「適切に設定されていない」クラウド上に存在しているが、ホランド氏によると、主な問題はクラウドではなく、ユーザーのデータ管理の仕方だという。(c)AFP