【4月6日 AFP】ベネズエラ東部の遠隔地にある密林地帯で麻疹(はしか)が流行し、これまでに先住民の子ども少なくとも54人が死亡していることが分かった。人権団体が5日明らかにした。

 非政府組織(NGO)カペ・カペ(Kape Kape)の責任者、アルマンド・オブドラ(Armando Obdola)氏は、「(はしかは)1月に入って広がり始めており、衛生警報の発令を求めている」と述べた。

 オブドラ氏によると、はしかが流行しているのはベネズエラ東部デルタアマクロ(Delta Amacuro)州で、今年に入ってから先住民族ワラオ(Warao)の子どもたちに死者がでているが、「薬がなく、医師や看護師は何もできないでいる」と訴えている。

 中南米地域は2016年にはしかの撲滅が宣言されたが、世界保健機関(WHO)アメリカ地域事務局である汎米保健機構(PAHO)は先月、ベネズエラでのはしかの流行を報告していた。

 ベネズエラでは今年1~3月に確認された感染者は159人と、南米9か国の中で最多。2番目に多いブラジルは14人だが、全てベネズエラから持ち込まれた症例だ。

 PAHOは「全ての確認された感染者はワクチン接種を受けていない、9か月から18歳までのベネズエラ人」と述べている。

 NGOカペ・カペのホセ・ナベダ(Jose Naveda)氏は「彼らは社会から取り残されている。ほとんど死を待っている状況だ」と語っている。

 ルイス・ロペス(Luis Loez)保健相は3日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権が、ジフテリアやはしか、黄熱の全国規模のワクチン接種計画の開始に向けて詳細を調整しているところだとツイッター(Twitter)で明らかにしていた。(c)AFP