【4月5日 AFP】英国で起きたロシア人元スパイ毒殺未遂事件をめぐり、ロシア政府が国外退去を命じた米外交官60人の第一陣が5日朝、モスクワの在ロシア米大使館を出た。ロシア側が退去期限を5日までと定めていた。

 米外交官と家族を乗せたバス3台とマイクロバス1台は4日午前6時半(日本時間同午後0時半)ごろに米大使館を出発し、空港に向かった。

 欧米諸国とロシアは、3月4日に英南西部ソールズベリー(Salisbury)でロシア人の元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘が毒物で襲撃された事件をきっかけに関係が悪化し、双方の外交官の追放合戦に発展した。

 英国は使用された毒物が旧ソ連で開発された軍用神経剤だったとして、事件の背後にロシア政府がいる「可能性が非常に高い」と主張。米、欧州連合(EU)加盟国、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などは事件への懲罰としてロシアの外交官150人以上を国外追放処分とし、ロシアも同様の対抗措置を取る事態となっている。(c)AFP