■カーシェアリング初体験のきっかけに

 通勤客の中には、車の運転者と相乗りを希望する人をつなぐサービスを提供している業界大手の「ブラブラカー(BlaBlaCar)」や「カロス(Karos)」など、新しいタイプのカーシェアリング会社を利用する人たちもいた。こうしたサービスは、携帯電話を使ってほんの数秒で予約できる。

 今回のストライキ中、大都市周辺ではこの新サービスが渋滞緩和に一役買った。朝のラッシュ時には平常よりも混雑したが、記録的な渋滞に比べればはるかに少なかった。カロスの共同創設者であるオリビエ・ビネ(Olivier Binet)氏はAFPの取材に対し、「新たな利用者が急増した」と話し、「弊社の利用者数に関して言えば、ストライキ前に比べて4倍に増えた」と続けた。

 ビネ氏によると、38万人のドライバーがライドシェア(相乗り)を申し出ており、このサービスの利点を発見した多くの新規ユーザーが長期ユーザーとなることに同社は期待を寄せている。ビネ氏によると3月22日の鉄道ストでは「数千人がカーシェアリングを初めて体験し、そのうちの50%はストがないときでも頻繁に利用を続けている」という。

 一方、ブラブラカーの広報担当者はAFPの取材に対し、3月30日には同社のウェブサイトの閲覧者が140万人に上り、新規登録ユーザーは過去最高を記録したと語った。