舞台上で子どもたちが一生懸命演じている横で、楽楽ちゃん(7)は静かに母親のスマートフォンで遊んでいた。母親が何度か呼びかけた後に、やっと反応した。

「息子は自分の世界に浸っている時、外の世界には一切反応しないのです。この子は『星から来た子ども』です」と楽楽ちゃんの母親は話す。

 中国では、「星の子ども」というと自閉症児のことを指す。自閉症は、主に社交不安障害や言語障害のほか、強いこだわりを見せたり、同じことを繰り返したりすることがあり、高い確率で知的障害を伴う。

 天愛障害児童リハビリセンターの責任者は、「なるべく短時間で、子どもたちの基礎能力を高める必要がある。そうすることで将来、社会に溶け込みやすくなる。私たちは同じ太陽の下で生きている。この子たちはにぎやかな世界には耳をふさいで自分の世界に浸ってしまい、家族に無力感や苦難を与えてしまう。社会全体がこの子たちに寄り添い手を取り、さらに理解と尊重を深めて受け入れてほしい」と話した。

 楽楽ちゃんの母親は、今回のようなイベントを通して子どもたちが集団行動を学んだり、社会の善意を感じ取ったりすることができ、愛情を必要としている自閉症の子どもたちに温もりを伝えることができると感じているという。

「こういった特殊な子どもたちに社会がもっと関心を持ち、社会の前向きな気持ちが子どもたちに伝わり、この世界のすばらしさをもっと感じてもらえるよう呼びかけたい」。(c)東方新報/AFPBB News