【4月3日 AFP】インド各地で2日、ヒンズー教に基づくカースト(身分制度)の最下層「ダリット(Dalit)」出身者らのデモ隊が警察と衝突し、少なくとも6人が死亡した。最高裁が被差別階層を保護する法律を形骸(けいがい)化しかねない判決を下したことに抗議しており、暴徒化したデモ隊はバスや官庁を襲撃し、線路や幹線道路を封鎖するなどしている。

 警察の発表によると、これまでのところの死者は中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州で4人、北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州と西部ラジャスタン(Rajasthan)州でそれぞれ1人、計6人に上る。

 マディヤプラデシュ州では抗議運動が激化していたものの、AFPの取材に応じた州警察幹部は、事態は「収拾」できていると述べた。一方、同州グワリオル(Gwalior)の警察当局者はAFPに対し、治安の悪化に伴い、一部地域で夜間外出禁止令が出されていることを明らかにした。

 インドでは1989年に、ダリット出身者など被差別階層への嫌がらせを防ぐことを目的として、指定カーストと指定部族への残虐行為を防ぐ法律が成立した。しかし最高裁がこのたび、同法に基づいて容疑者とみられる人物を自動的に逮捕することを禁じる判決を下したため、ダリットの出身者らは、自分たちが攻撃される可能性が増したと非難している。(c)AFP/Bhuvan BAGGA