【4月3日 AFP】同性愛者向け出会い系アプリ「Grindr(グラインダー)」は2日、同アプリの最適化の目的で提携している企業2社に対し利用者のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)診断結果や位置情報などの個人情報を提供していると米メディアに報じられ、激しい非難にさらされている。

 米ロサンゼルスを拠点にするグラインダーの最高技術責任者(CTO)スコット・チェン(Scott Chen)氏は、アプティマイズ(Apptimize)とローカリティクス(Localytics)の2社に情報を共有したことは「業界の慣行」であり、利用者のプライバシー保護のための措置は講じているとブログサービス「タンブラー(Tumblr)」上に投稿した。

 グラインダーの利用者は、自身がHIV陽性か陰性か、また最後にHIV検査を受けたのはいつかを共有するかどうか選択することができる。しかし専門家らは、健康に関する情報が位置情報や電子メールのアドレスなどと一緒に提供された場合、個人が特定される恐れがあると指摘している。

 今回の問題については非営利のノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)が明らかにし、米メディアのバズフィード(BuzzFeed)が報じたことで懸念が広がった。

 グラインダーは提携会社に共有された情報に利用者のHIV関連情報や位置情報が含まれる可能性があると認めているが、チェン氏は機密性の高い情報は暗号化され、提携会社は機密保持のための厳しい契約条件に従っていると主張している。

 チェン氏は、「グラインダーはこれまでに個人を特定できる情報、特にHIVの診断結果と最新の検査日に関しては第三者や広告会社に売却したことはなく、今後も決してしない」と強調した。(c)AFP