【4月3日 AFP】エジプト選挙管理当局は2日、先週行われた大統領選挙でアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領が有効票の97%を獲得し、再選を果たしたと発表した。同選挙ではシシ大統領に対抗する有力候補は一人もいなかった。

 選挙管理委員会は記者会見で、登録されている有権者約6000万人の41.05%が票を投じたと発表。また、投じられた約2400万票のうち92.73%が有効票だったものの、無効票は200万票近くに上ったとも説明した。

 シシ氏の唯一の対立候補だったムサ・モスタファ・ムサ(Moussa Mostafa Moussa)氏の得票率は2.92%だった。当初はシシ氏の熱心な支持者として同氏の選挙活動に関わっていたムサ氏は、立候補届け出の締め切り直前に登録し、同選挙で候補者がシシ氏ただ一人となる状況を回避していた。

 エジプトで初めて自由選挙により大統領に選出されたイスラム組織出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)氏の下で国防相を務めていたシシ氏は2013年、モルシ政権に対する大規模な抗議デモが発生する中、軍を率いてモルシ氏を退陣に追い込み、2014年の選挙で96.9%の得票率を得て大統領に初当選した。2014年の大統領選時の投票率は47%で、今回の41%と比較してかなり高かった。

 今回の大統領選では、シシ氏に対抗する有力候補がそろって出馬を断念したり、当局に身柄を拘束されたりしており、野党勢力は実体を伴わない見せかけの選挙であるとしてボイコットを呼び掛けていた。(c)AFP