■経験が自信に

 難民雇用に大きく踏み出しているのが、ファーストリテイリング(Fast Retailing)傘下のブランド、ユニクロ(Uniqlo)だ。柳井正(Tadashi Yanai)代表取締役会長兼社長は、世界各地で難民の雇用に取り組んでいる。

 ユニクロ・サステナビリティー(持続可能性)部の進藤久瑠美(Kurumi Shindo)氏によると、同社は日本国内で現在46人の難民を雇用しており、「少しでも多くの企業に難民雇用に興味を持ってもらいたい」と企業側への研修も主催している。

 ユニクロでは、雇用した難民に対し言葉や文化面での支援を含む幅広い研修を行っているが、それだけの投資価値は十分にあると進藤氏は言う。「日本で仕事を見つけて働くという、仕事に対する熱心な意欲…そのような彼らの姿は一緒に働く仲間にとっても、良い刺激となっています」

 2008年にミャンマーを逃れ、日本で難民認定を受けたシンさん。2013年からユニクロで働いている。それまでは飲食店2軒の仕事を掛け持ちして日々の生活費を稼いでいたという。

「日本語には敬語や普通語がありますので、敬語を使わなければいけないときに、私は普通に話してしまったり。言われたことも、すぐに意味や内容が分からないということがありました」と、当初経験した苦労について話した。

 しかし、ユニクロで働き始めてから5年が経過して自信もついた。今では、新たに入社してくる難民たちにアドバイスを与える存在となっているそうだ。「みんなには、そういうところまで行けてすごいですね、とよく言われます」と笑顔を見せる。

「ユニクロにはミャンマー出店の予定はまだないようですが、出店されたらぜひ行きたいと思っています」 (c)AFP/Sara HUSSEIN