【4月2日 AFP】(写真追加)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は1日、同国を訪れている韓国芸術団による公演を観覧した。Kポップの女性グループを含む韓国の芸能人らが北朝鮮で公演したのは10年以上ぶりで、南北首脳会談を前に両国の融和姿勢を示す動きとみられている。

 韓国側の文化的ほほ笑み攻勢という見方が強い今回の韓国芸術団の訪朝は、何か月も続いた緊張の後に急速に進んできた南北関係の雪解けムードの中で実現した。

 ミュージシャン11組に加え、ダンサーや武道家らから成る総勢120人の韓国芸術団は、同日に続いて3日にも公演を予定している。

 金委員長は元歌手の夫人と共に会場を訪れ、2時間に及んだ公演では夫妻が拍手を送る姿も見られた。北朝鮮の最高指導者が韓国芸術団による公演を直接鑑賞したのは初めて。

 公演には、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)朝鮮労働党第1副部長や、金永南(キム・ヨンナム、Kim Yong-Nam)最高人民会議常任委員長らも足を運んだ。

 同行取材団によると、楽屋で出演者らと握手し写真撮影を行った金委員長は、南北間の文化行事をもっと頻繁に催すべきだと語り、韓国の首都ソウルで今秋にも別のイベントの開催を提案したという。

 金委員長は、芸術団と共に訪朝した韓国政府の関係者らに対し「(韓国の)文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領に、このような催しがいかに素晴らしいかを伝えてください…平壌市民にこのような贈り物をもらい、感謝している」と謝意を伝えたという。(c)AFP/Jung Hawon