【4月1日 AFP】お騒がせな行動の多いことで知られるベルギーのロラン王子(Prince Laurent、54)が、政府に無断で外国の要人と面会したことへの制裁措置として王族手当の減額という異例の処分を受けることとなった。

 フィリップ国王(King Philippe)の弟にあたるロラン王子は昨年、ブリュッセルの中国大使館で行われた人民解放軍創設90周年の記念パーティーに政府に無断で出席していた。パーティーに出席した自身の軍服姿写真をツイッター(Twitter)に投稿したことから明らかになった。

 これを受けてシャルル・ミシェル(Charles Michel)首相がロラン王子の年間手当30万7000ユーロ(約4020万円)について15%に当たる4万6000ユーロ(約600万円)を減額する案を発議。3月29日にベルギー議会で採決が行われ、賛成93票、反対23票で王子の手当減額が決まった。

 ベルギーでは、王族が規則に違反した場合に王室手当の支払いの「留保」を認める法律が2013年に制定されたが、実際に適用されるのは今回が初めて。

 これまでにも、ロラン王子はリビアを頻繁に訪問したり、ベルギーの植民地だったコンゴ民主共和国を無断で訪問したりするなどの行動で非難を招いている。

 他にも何度もスピード違反で罰金を科される、政府の許可を得ずにアフリカ諸国の指導者らとの親交を深めてとがめられるなど、かねてベルギー王室の「問題児」とみなされてきた。

 その一方、しばしば「不遇の王子」とも称され、うつ病に苦しんでいるとも報じられている。動物愛好家でもあり、「タコかハエと会話してみたい」と告白するなど、多少変わっているが愛すべき人物ともみられている。2013年にオーストリアで王子がスキー中の事故による内臓損傷で入院した際にはトップニュースとなった。(c)AFP