【4月1日 AFP】イングランド・プレミアリーグのウェストハム(West Ham)を率いるデビッド・モイーズ(David Moyes)監督は31日、同日行われたサウサンプトン(Southampton FC)戦について、大きな混乱のあった前回のホームゲームとは違ってファンがチームを後押しし、3-0の重要な勝利を収められたことにほっとしていると話した。

 ウェストハムの前回ホームゲームであるバーンリーFC(Burnley FC)戦では、観客がピッチに乱入したり、クラブ幹部のいる席の前で大量のファンが物を投げつけて抗議したりといった混乱が発生し、さらに悲惨な事態が起こってもおかしくないような恐ろしい雰囲気があった。

 そのファンは、この日もクラブの共同オーナーであるデビッド・ゴールド(David Gold)氏とデビッド・サリバン(David Sullivan)氏に対する抗議のデモ行進は行ったが、試合内容が改善したこともあってか、スタジアム内での騒ぎは起こさなかった。

 チームはジョアン・マリオ(Joao Mario)のゴールとマルコ・アルナウトビッチ(Marko Arnautovic)の2得点で勝利し、降格圏に勝ち点5差をつけることに成功している。

 モイーズ監督は「選手たちは、このところの出来事をどう思っているかをプレーで示した。期するものがあったし、やってやるぞという感じになっていた。サポーターはキックオフ前、自分たちがクラブとチームとともにあるということを示し、そして選手は自分たちがどうしたいかを示した。本当に気合が入っていた」とコメントした。

「われわれにとっては本当に大きなゲームだった。負けていたら、さらに転がり落ちていた可能性もあった。このくらいで浮かれていてはいけないが、降格圏には落ちずに済んだ。この後も大一番がいくつかあるが、スタジアムがきょうのような雰囲気を保ってくれれば、われわれにも十分チャンスがある」

 ウェストハムのサポーターは、長年慣れ親しんだアップトン・パーク(Upton Park)からファンに不人気のロンドンスタジアム(London Stadium)へ本拠地を移したことを含め、両オーナーの経営方針に怒っている。サポーターはストラトフォード駅周辺に集まってから、横断幕を掲げたり、理事会にノーを突きつける歌を歌ったりしながらスタジアム近くまで行進した。

 スタジアム内では前回の事件を受けて、幹部席の近くに安全対策が施された。ゴールド氏とサリバン氏の両オーナーも、ファンからの反感が高まっている中で現地観戦したが、普段より奥の席に座り、警備員の数も増員された。(c)AFP