【4月1日 AFP】宇宙の謎の解明に生涯をささげた英国の宇宙物理学者、故スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士の葬儀が3月31日、ゆかりの地である英イングランド東部ケンブリッジ(Cambridge)で営まれ、近親者や知人に加えて映画スターやスーパーモデル、喜劇俳優や宇宙飛行士らが参列した。

 世界中の人々の想像力を捉えてきたホーキング博士は3月14日、76歳で死去した。生前は無神論者だった博士だが、長女のルーシーさんと長男のロバートさん、次男のティムさんは、葬儀会場としてケンブリッジのグレートセントメアリー教会(St Mary the Great)を選んだ。3人の子どもたちは「信仰心を持つ人にとっても、そうでない人にとっても、父の生涯と研究が意味したものはたくさんあった」と述べ、それだけに「参列者を制限せず、かつ伝統を踏襲して、父の生涯の幅の広さや多様性を反映させたかった」と説明した。

 博士のひつぎが到着すると、沿道に詰めかけた数百人から拍手が湧き起こった。ひつぎは博士の研究活動の拠点だったケンブリッジ大学ゴンビル・アンド・キーズ・カレッジ(Gonville and Caius College)の関係者6人によって運ばれ、博士の生きた歳月に合わせて教会の鐘が76回鳴らされた。

 葬儀では伝記映画『博士と彼女のセオリー(The Theory of Everything)』(2014年)でホーキング博士を演じた英俳優エディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)さんが、約500人の参列者を前に聖書の一節を読み上げた。

 博士の遺骨は6月15日にロンドン(London)のウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)で伝説的な科学者アイザック・ニュートン(Isaac Newton)の墓のそばに埋葬される予定で、この日、同寺院で追悼礼拝が行われる。(c)AFP/Lucas COLIN