【3月31日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は30日、北朝鮮の制裁逃れを助けたとして船舶27隻、企業21社、実業家1人を新たに制裁対象に指定した。北朝鮮政府が対話に前向きな外交姿勢を見せる中、同国への圧力を維持する動き。外交筋が明らかにした。

 今回の対象指定は北朝鮮制裁で過去最大規模。匿名の安保理外交筋によると、米国の要請を受けて安保理の制裁委員会が承認した。

 国連は北朝鮮の核・弾道ミサイル実験を受けて同国に制裁を科しており、これに違反して行われる北朝鮮商品の密輸への国際的な取り締まりの一環として、制裁対象が追加された。

 AFPが入手した国連文書によると、今回の指定では、北朝鮮の石油タンカーと貨物船計13隻のほか、北朝鮮による禁輸品の密輸に加担したり、石油や燃料を運んだりした12隻が世界中の港への入港を禁止された。

 また、入港を禁止されなかった別の北朝鮮船2隻が、世界規模での資産凍結の対象とされた。

 さらに、各国の海運・貿易企業21社も資産凍結の対象となった。国別の内訳は、香港の3社を含む中国の5社と、北朝鮮の12社、シンガポール、サモア、マーシャル諸島、パナマの各1社。

 このほか、「張永源(Tsang Yung Yuan)」名の実業家が、ロシアにいる北朝鮮人の仲買人と共に北朝鮮産石炭の違法輸出を手配したとして、世界各国での渡航禁止と資産凍結の対象となった。(c)AFP/Carole LANDRY