【3月29日 AFP】南米ベネズエラの警察の留置施設で28日、脱獄騒動の最中に出火し、68人が死亡した。タレク・ウィリアム・サーブ(Tarek William Saab)検事総長と収容者支援団体が明らかにした。同国では過密状態の拘置所や留置施設で脱獄や暴動が相次いでいる。

 火災が起きたのは、カラボボ(Carabobo)州警察本部の留置場。サーブ検事総長はツイッター(Twitter)で、事態究明のため検事4人を任命したと表明した。

 収容者支援団体によると、脱獄を試みた収容者たちがマットレスに火を付け、警備員1人から銃を奪った。犠牲者の死因はやけどや窒息で、死者の中には留置場を訪れていたとみられる女性2人も含まれているという。

 警察署では、収容者の家族らが中に入ろうとしてもみ合いとなり、警官1人が石を投げられ負傷。警察が催涙ガスで群衆を解散させる騒ぎとなった。

 経済危機に陥っているベネズエラでは、刑務所の深刻な過密状態と日用品の不足が問題となっている。また、本来は逮捕された容疑者の収容施設で、48時間を超えて身柄拘束できない警察の留置場に刑が確定した受刑者が収容されることもしばしばあり、カラボボ州警察本部の留置場もそうした代用刑事施設となっていた。

 収容者支援団体の推計によると、刑務所の代用として使われている留置施設はどこも定員を5倍超過しているという。(c)AFP