【3月29日 AFP】カナダ西海岸の島で、北米では最古となる約1万3000年前のヒトの足跡が見つかったとする研究論文が28日、米科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に発表された。

 足跡が見つかったのは、バンクーバーの北東にあるキャルバート島(Calvert Island)の砂浜。大人2人と子ども1人が泥の上をはだしで歩いた跡とみられるという。

 論文の主執筆者でハカイ研究所(Hakai Institute)とカナダ・ビクトリア大学(University of Victoria)に所属するダンカン・マクラーレン(Duncan McLaren)教授(人類学)によると、2014~16年に行った発掘調査で計29個の足跡が見つかった。

 この研究結果は、人類が約1万3000年前にブリティッシュコロンビア(British Columbia)州の太平洋沿岸に存在していたことと、この地域では北米大陸の最終氷期が終わりを迎えた約1万1700年前よりずっと早期に氷が姿を消していたことを示唆している。

 また、氷のなくなった海岸沿いの陸路を通って人類がアジアから初めて北米大陸に到達し、現在のブリティッシュコロンビア州にやって来たとの仮説をより強く裏付ける発見でもある。研究チームでは今後の調査でさらに多くの足跡を発掘し、北米西海岸への人類の定住の歴史を解き明かしたいとしている。(c)AFP