【3月28日 AFP】ナス1本を盗んだとして2009年に起訴されたイタリア人男性が、9年を経てついに無罪となった。しかし、たった一つの野菜をめぐって争われたこの裁判に、結果として多額の税金が費やされたという。

 男性は49歳だった当時、南部プーリア(Puglia)州レッチェ(Lecce)でナスをバケツに入れて逃げようとしたところ、警察に確保された。男性は連行される途中、何とかして子供に食べ物を与えなければならないが失職中であるため、ナスを盗もうとしたと警察に訴えたという。

 しかし裁判所は全く同情を見せず、男性に禁錮5月と罰金500ユーロ(約6万5000円)を命じた。その後、男性の上訴によって刑は禁錮2月と罰金120ユーロ(約1万5000円)に軽減された。

 ただ、男性の弁護士はこれでも満足せず、さらに破棄院(最高裁)に上訴。逮捕から9年を経て、男性はようやく無罪放免となった。

 日刊紙レプブリカ(La Repubblica)の報道によると、男性は弁護士費用を支払えなかったため、訴訟費用7000~8000ユーロ(約90万~100万円)は税金でまかなわれるという。(c)AFP