【3月27日 AFP】パキスタンの警察当局は27日、16歳の少女への性的暴行に対する復讐(ふくしゅう)として、犯人とされる少年の姉(40)に対する性的暴行を命じた疑いで男10人を逮捕したと発表した。

 事件は20日、中部パンジャブ(Punjab)州トバテクシン(Toba Tek Singh)で起きた。

 地元警察のナイーム・ユサフ(Naeem Yousuf)氏はAFPに対し「ワシームという名の少年が16歳の少女と性行為に及んでいたところを捕まり、近隣住民が集まって少年の殺害を求めた」と明かした。

 ユサフ氏によると、少年の家族は少女の家族に対し、自分たちの家族の中の女性をレイプするという選択肢を与えた。少年の姉が選ばれ、少女の兄弟にレイプされたという。

 双方の家族はこの件を忘れ、恨みを持たないとの手書きの合意書を作成。地元警察のアブドゥル・マジード(Abdul Majeed)署長は、警察官の一人が合意書を入手し、署名した双方の家族の計10人が訴追されたと述べた。

 家父長制の慣習が残るパキスタンでは復讐目的のレイプ事件が頻繁に発生しており、時間と費用がかさむ司法制度に代わり、男性間の争いの解決手段として女性がしばしば利用されている。(c)AFP