■多くの英語話者が過激化

 アンバゾニアの指導部は、あくまで平和的な闘争をしているとして武装勢力との関わりを否定しているが、政府当局者への襲撃は増えている。

 独立系シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」の推定によると、主な武装勢力は「アンバゾニア防衛軍(ADF)」など4組織で戦闘員の規模は合わせて300人以上。この他にはるかに規模は小さいが暴力的な10の分派が存在する。

 一つだけ確かなのは、政府による弾圧によって、これまで社会で疎外されていると感じながら政治に関心を持っていなかった農業従事者や管理職層を含む多くの英語話者が過激化してしまったということだ。

 武装勢力に近い筋によると、武装勢力はエリトリアの独立闘争や南アフリカの故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の反アパルトヘイト運動を参考にしているという。

 戦闘員の武器は自家製のライフルが多いが、カラシニコフ銃や手りゅう弾、簡易爆発装置を持っている者もいる。数は少ないが、警察署から奪った高性能の武器を持っている場合もある。

 暴力が一気に激化する兆しを見て取った数千人の人たちが、国境のすぐ先にあるナイジェリアの町イコム(Ikom)に避難した。