【3月27日 CNS】中国商務部は26日、米国などから輸入される化学物質のフェノールに対してダンピング調査を行うと発表した。中国内の産業界が2018年2月に提出したダンピング調査申請を受けての決定としている。

 申請書では、中国市場に輸入されるフェノールの量が急増し、市場価格が大幅に下がったことで、中国産の同類製品の価格を押し下げていると指摘。

 その結果、中国製品の市場シェアが減少し、販売価格や税引き前利益ともに大幅に下がり続けるなど実質損害を被っていることから、輸入品の不当廉売と国内産業の実質損害には因果関係があるとしている。

 商務部は、申請書には中国国内の法律が求める内容と証拠が含まれていると判断し、26日から原産国が米、欧州連合(EU)、日本、韓国、タイから輸入されるフェノールに対し、ダンピング調査を行う決定を下した。調査は、同日から1年以内の予定で行われる。

 フェノールは有機合成化学工業分野の重要な原料で、合成繊維、プラスチック、医薬品、農薬など幅広い分野で利用される。中国のフェノール産業の健全な発展は、産業チェーンの発展と安全の保証にもつながる。(c)CNS/JCM/AFPBB News