【3月27日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を強力に支持する現地紙が26日、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相をヒトラーになぞらえた風刺写真を1面に掲載し、「ナチス(Nazi)の精神構造」の持ち主だと批判した。

 外交面で強硬な意見を持つことで知られるトルコ日刊紙「イェニ・アキト(Yeni Akit)」の1面に掲載されたのは、ナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)風のひげを生やし、かぎ十字の腕章と、たすき掛けベルトを着用したように加工されたメルケル氏の写真。「われわれは彼女のこうした精神構造を非常に憂慮している」と書かれている。

 風刺写真が掲載された26日には、トルコと欧州連合(EU)の関係修復に向けて、エルドアン大統領と欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)大統領、欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)が、ブルガリアの黒海(Black Sea)沿岸リゾート地、バルナ(Varna)で会談していた。

 EU加盟国の首脳らは、トルコが東地中海(Mediterranean)とエーゲ海(Aegean Sea)でキプロスとギリシャに対して「不法行為」をしていると批判する声明を発表。特にトルコ領に迷い込んだギリシャ兵2人の身柄を拘束したことを非難している。しかし、こうしたEUの動きにトルコは強く反発している。

 イェニ・アキト紙は、メルケル氏について、トルコが引き渡しを求めている指名手配容疑者らをドイツ国内に「保護」する一方、ドイツ各地でモスク(イスラム礼拝所)への放火が相次ぐ事件にはだんまりを決め込んでいると指摘。「彼女はわが国でのスパイ活動を目論んでいたギリシャ兵の問題を恐れている」「ナチスの精神構造を持つメルケルが、いちいち反トルコ的なコメントをしてくることにイライラさせられる」などと批判している。(c)AFP