【4月11日 AFP】インスタグラム上で有名になった壁画からペインティング・バトルまで、香港のかつてのアンダーグラウンドなストリートアートシーンが近年盛り上がりを見せており、今や市の壁や路地のいたる所で発展している。

 香港独特の地理やエネルギーに魅せられた英国人壁画アーティスト、ダン・キッチナー(Dan Kitchener)さん(43)は、独特な雰囲気を持つ都市の光景をスプレーで描こうと、今回3度目の香港訪問を果たした。

 バーの外壁に描くキッチナーさんは、竹で作った足場の上でバランスを取りながら、「壮大なスケールに超高層ビル、そしてこういった小さな路地。これが僕の香港のイメージだ」と話す。

 水彩画とアクリル画を長年学んできたキッチナーさんは、特にネオンライトや反射光、雨を好んで描く。最初は東京で、こうした景色のとりこになったという。

 キッチナーさんは喧噪な湾仔区(Wan Chai)にあるストリートマーケットで繊細な壁画を完成させたばかり。その後すぐ、中心街に移動しバーの外壁に壁画を描いている。

 香港では世界クラスの美術館が不足しており、人気アーティストの展示会が開催されることはめったにない。しかし、ストリートアートはアジアで拡大する需要や近年増加する展覧会の数に後押しされ、市内で一層の注目を集めている。(c)AFP/ Elaine YU